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maniacsの取付マニュアル

maniacsでは主なパーツの取付マニュアルを公開しています。これはmaniacs発足当初からのポリシーです。DIYの喜びを一人でも多くの皆様と分かち合いたいという気持ちから、会員制や商品ご購入のお客様に限定のサービスではなく、これから購入をご検討中の方も含めて、全てのVW/Audiオーナーさまにご参照いただけるよう一般公開しています。VW/Audiオーナーの皆様に広くご利用いただき、愛車との触れ合いを深めていただく一助となれば、私達もとても嬉しく思います。

マニュアルは可能なかぎり丁寧に記述してあります。実際に作業する方の立場で記述しており、写真や図解をたくさん使って、そのマニュアルを参照することでスムーズに作業ができるよう配慮しています。また、作業される方のスキルレベルによらずにご参照いただけるように、できるだけ平易な表現を心がけています。躓き易いポイントは、できるだけそれを未然に防ぐように、躓き方の例も具体的に上げて説明しています。読み物として楽しく、読んでいるうちに挑戦したくなるような、そんなマニュアルを目指して書いています。ぜひ、ご遠慮なくご参照ください。

maniacsの取付マニュアル

maniacs STADIUM(実店舗)での取付

maniacsはユーザースコミュニティとして2003年に発足しました。そしてその当初から「車をモディファイし、パーツを装着する喜びとは何か」について常に真剣に考え続けてきました。2004年にVW/Audiパーツに特化したインターネット通販サイトをスタートすると同時に、取り付けマニュアルを一般に公開するサービスを開始しています。その一方で、2007年からはお客様のご要望にお応えして車両への取付サービスを開始しました。車のメンテンナンス、パーツの装着、調整整備などの作業には、自分自身で行う喜びの他に、プロフェッショナルに作業をお願する独特の喜びがあるとmaniacsは考えます。

例えば、自分の大切な靴のメンテナンスや、永年愛用している腕時計のオーバーホールなど、自分ではなかなか成し得ない作業です。そんなとき、その道に通じた本物のプロフェッショナルの技術を、大切な品物に施してもらうことも、ひとつの愛情表現に違いありません。愛着物と永く連れ添うには、自分でできることを自分でやる、プロに任せるところは安心して任せられるプロの技術に頼るという使い分けが、愛着物と丁度良い距離感を持って付き合うコツでもあり、大人の楽しみ方だと言えます。そんなスタンスで愛車を大切にされているオーナーさまが、安心してお任せいただけるガレージとして、2012年にmaniacs STADIUMをオープンしました。

maniacs STADIUMは、道路運送車両法の規定に基づく普通自動車分解整備事業、小型自動車分解整備事業の認証を取得しています(関東運輸局 第2-5884号)。得意分野であるVW/Audi車両構造、純正部品の取り扱いに精通しており、足回り、ブレーキ、エンジン、ボディなどの主要構造部分に関して専門のメカニックが責任を持って整備いたします。インテリアやエクステリアのパーツ類の緻密なフィッティング、車両各所にあるコンピュータや最新のCAN-BUSシステムの設定、ヘッドライトやテールライトなどの保安部品類の正しい装着、エンジンオイル・DSGオイルなどの油脂類からホイールやタイヤの交換まで、豊富な経験とノウハウで、あらゆるメンテナンスを行います。

そしてもう一つ、maniacsが取付サービスを始めた当初から一貫していることがあります。それは作業を実施している一部始終をオーナー様にご覧いただくことができ、愛車が変化していく様子を同じ空気感の中でリアルタイムに感じ取っていただけることです。maniacs STADIUMではお客様に作業の様子をご覧いただくための専用のスペースを常設して、ゆりとくつろぎながら愛車との時間を心ゆくまで楽しんで頂けます。DIY派の方にも、プロならではの手際よくかつ丁寧な作業を間近にご覧いただくことで、ご自身で作業する場合のご参考にしていただけます。プロフェッショナルに作業を頼む楽しみ方を、これだけ満喫できるのはmaniacsならではです。

maniacs STADIUM 取付予約

取付のアドバイスとサポート

(1)DIY作業の客観的な難易度について

作業の難易度には二つの側面があります。ひとつは作業に求められるスキルレベルであり、もう一つは作業を行う人がその作業を難しいと感じるか易しいと感じるかです。換言すれば、前者は客観的な難易度であり、後者は主観的な難易度と言えます。これら二つの側面は基本的に別の概念として捉える必要があり、両者を混同して話をすると往々にして噛み合わない話になります。ここでは、前者の客観的な難易度についてお話します。なお、後者の主観的な難易度については次の段落で詳しく取り上げます。

自動車部品の装着やモディファイに関して、客観的な難易度を決めるのは主に以下の三要素であるとmaniacsでは考えています。一つ目は、作業に必要とされるスキル、経験、知識、判断力などです。二つ目は、仕上がりに対する作業の良し悪しの影響度です。そして三つ目は、失敗したり間違えたり不完全に施工した場合に生じるリスクの程度です。例えば、スキルがなくても実施できて、実施の良し悪しによる結果の差がなく、万一失敗してもやり直せば済むような作業は、客観的な難易度が最も低いと言えます。

ではその三要素についてもう少し詳しくご説明いたします。一つ目の作業に必要とされるスキル、経験、知識については、大雑把に括って以下の表現でレベル付けをいたします。

レベル1:
中学校までに習得する図工および技術家庭ないしはそれと同程度の知識とスキルがあれば、ほとんどの人が実施可能な作業レベル。

レベル2:
レベル1のスキルに加えて、プラモデル、ラジコン、自転車の整備、日曜大工などの工作系の多少の趣味的経験、および理科、算数などの基礎的知識があれば、概ね実施可能な作業レベル。

レベル3:
レベル2のスキルに加えて、取り付けようとするパーツの形状(ネジ穴やはめ込みフックなど)を見て概略の取付構造(はめ込み方向やフックの掛かる向きなど)が把握でき、また取付マニュアルを見て各ステップの作業の目的が正しく理解できれば、それらの理解力を通じて概ね実施可能な作業レベル。

レベル4:
レベル3のスキルに加えて、手先の器用さ、力加減の微妙な調整、作業を行いながら車両個体のバラつき等の状況に応じて簡単な判断や臨機応変な対応をする必要があり、自動車のパーツ取付に関する多少の経験を必要とする作業レベル。

レベル5:
自動車のパーツ取付やモディファイのDIYに精通していて、自動車の構造や仕組みについてのある程度の専門知識や経験が必要とされる作業レベル。

つぎに、三要素の残る二つ、仕上がりがバラつく度合いと失敗した場合の影響については、これらを合わせて以下のように4区分に分類します。

レベルA:
完了時において作業の巧遅によらず概ね一定の完成度が得られる作業。作業が正常に完了したかどうか一目瞭然で、未完了の場合は再度作業をやり直すことが可能な作業。

レベルB:
作業の巧遅によって仕上がりに多少のバラつきが生じるが、結果の大勢には影響なく、美的な完成度などの副次的要素にのみ影響する作業。作業が正常に完了していないことに気づかない場合でも、重大な二次的問題を生じる可能性がない作業。

レベルC:
作業の方法が不適切な場合に、部品の破損等が生じる可能性があり、作業のやり直しが効かない作業。または作業が正常に完了していなくてもそのことに気づかず、それが原因で部品の破損や脱落などの二次的問題が生じる可能性のある作業。

レベルD:
作業の巧遅により走行安全に係わる場合があり、または車両の重要部分が破損するなど重大な結果を生じる可能性のある作業。

maniacsでDIYをご案内するのは、1-Aから4-Cまでの作業であり、かつ大半の作業は3-Bまでの範囲にあります。レベル5またはDに該当する作業はDIYではご案内しておらず、maniacsでは「ご来店装着専用商品」としてお取り扱いしています。パーツの取付に関して難易度のお問い合わせを頂いた場合に、このレベル区分を参照して回答する場合ありますので、ご理解をよろしくお願いいたします。また、このレベル区分の考え方を理解しておくだけでも、DIYを無理なくスムーズに進める助けになると考えています。

(2)DIY作業の主観的な難易度について

DYIの難易度について、主観的な意味で「この作業は簡単でしょうか?」という類の質問は、回答がとても難しいです。その理由は大きく3つあります。1つ目は、個人のスキルレベルによって同じ作業を「難しい」と言う人と「易しい」という人があり、その人による感じ方の差は、ご本人が想像する以上に大きくかけ離れている場合があるからです。しかも、大半の人はご自身のスキルレベルが普通、ないしは一般的だと思う傾向にありますので、質問される方の前提と回答者の前提が大きくズレてしまうためです。

2つ目として、作業の仕上がり具合に対する要求度が、人によって大きく異なっています。パーツが車両に付いてさえいれば十分に満足という人から、0.1mmでもズレたり浮いたりしていたら許せないという人まで、完成度に対する要求レベルもご本人が想像する以上に大きな差があります。要求レベルの高くない人はスキルレベルがさほど高くなくても満足がいきます。要求レベルが高い割にスキルレベルが吊り合っていない場合は、客観的には十分に「できた」と言える状況でもご本人は満足しない、というケースがあります。

3つ目は、作業自体を楽しめるかどうかです。作業が好きだ、作業が楽しいという人は、実施している間にもどんどんスキルアップしますし、多少の困難は乗り越えて、それも含めて満足感が得られます。そういう方の場合は、もともとのスキルレベルに対してやや背伸びするくらいの難しい作業でも、チャレンジできます。逆に作業自体があまり好きでない、という方は予想と違う状況になったときに解決する方向に向かう代わりに気持ちが萎えてしまうことがあり、本来は十分に可能なレベルの作業でも完成せずに諦めてしまうパターンがあります。

以上の3つの理由のために「この作業は簡単でしょうか?」という主観的な質問に回答することは、とても難しいのです。こうした要素を考え合わせますと、自分以外の誰かに「この作業は簡単でしょうか?」と質問することは、実はほとんど意味をなさないと感じられると思います。マニュアル類が公開されている場合、ご自身がその作業を難しいと思うかどうかは、上記の客観的な難易度レベルを参照しながら、ぜひご自身で判断していただくようお勧めします。そしてそれは、やる気さえあればご自身で想像する以上にできてしまうことが多いので、ぜひ楽観的に捉えていただけますよう書き添えておきます。

(3)DIYのモチベーションについて

DIYの醍醐味は、愛車との関係性が深まり、カーライフの楽しみに深みが増すことです。これは、ほんの簡単な作業でも実感することができます。例えば、良く晴れた休日の朝、洗車の終わった愛車に気に入ったステッカーを一枚貼っただけで、愛車と自分との距離が少し縮まったような、嬉しい気持ちになれます。単にパーツが装着されたという喜び以上に、自分で取り付けたということが、その喜びをいっそう増してくれるのです。また、少し工数の多い取付作業や、難易度の高い取付作業を完成させれば、格別な達成感を味わうこともできます。

DIYは、手先の器用でない方や、工作の経験のない方でも、それぞれのスキルレベルに合わせて楽しむことができます。そしてDIYを楽しむうちに、自然にスキルがアップし、より難しい作業への挑戦意欲も湧いてきます。危険を伴わない限り、作業そのものの上手い下手や、結果としての完成度の良し悪しの少しの差は、さほど大きな問題ではありません。これは車のモディファイに限ったことではありません。自分でやってみたい好奇心と、そのことを楽しむ気持ちあって、あとは少しの勇気があれば、他では味わえない満足感を得ることができる、それがDIYの醍醐味なのです。

では、逆にお勧めできないDIYとはどんなものでしょう。1つはプロにお願いした場合の工賃を省くためだけに嫌々自分でやる、というパターンです。装着が完成した状態を求めているだけで、作業そのものには何の興味も関心もないのだけれど、自分でやったら工賃が無料で済むからという理由で自分でやる、これは途中で嫌になってしまう可能性が高く、失敗のリスクも高くなってきます。そもそも作業に着手する時点でイライラした気持ちがあったりすれば、まず楽しめるはずがありません。DIYの作業そのものに何の興味も関心もない場合は、工賃を支払ってプロに作業をお願した方が満足を得られると思います。

DIYをお勧めできないもう1つのパターンは、完成度に対する要求レベルが高い割に、根気や忍耐力、困難を克服する気持ち、探究心などが伴っていない場合です。これはスキル不足とは異なります。スキルレベルが不十分な方がご自分で作業をして、高い完成度に仕上げることは、不可能ではありません。その場合、余分に時間がかかったり、何度かやり直しをしたり、途中で調べたり聞いたり、粘り強さが必要になります。そして実はこういうタイプの方はスキルアップが目覚しく、少しするとDIYの楽しみを満喫されています。もし高い完成度を求めるならば、スキルの高低よりも、途中で嫌にならない探究心が最も重要な要素になります。

DIYは、間口が広く、奥の深い、無限の楽しみが広がる世界です。最初は本当にステッカー1枚貼るだけで良いのです。それで、DIYの楽しみとはどんなものか、実感として分かります。分かってしまえば、あとは好奇心の向くまま自然と勇気も湧き、その楽しみも満足も深まっていくことでしょう。そしてそのDIYが愛車との触れ合いをより豊かなものにしてくれること間違いなしです。一人でも多くの皆様にDIYの楽しさを味わって頂けることをmaniacsは願って、そのお手伝いをしたいと思っています。

(4)DIYの全般についてのmaniacs流アドバイス

DIYには、作業の内容に応じてポイントになることや、気をつけるべき注意事項がある場合があります。maniacsでは代表的なパーツの装着についてマニュアルをアップしており、個別のポイントは各作業の説明の中でできるだけ詳しく述べています。maniacsのマニュアルを参照したことのある方には、もうお馴染みですね。でも実はそれ以前に、どんな作業にも共通するちょっとした注意点があるのです。基本と言っても良いかもしれません。私達プロでも、この基本を忘れたときには思わぬ失敗をすることがあります。ここで、その最も大切な5つの注意点を伝授いたします。

第一に、時間をたっぷり用意することです。午後から出かなければならない日の午前中にサッと取り付けを済ませてしまおうとか、夕方近くになってから暗くなる前にやってしまおうとか、時間のお尻の決まった中で作業を行おうとすると、失敗のリスクが大幅に高くなります。理由は、物理的な時間が足りないことよりも、精神的な余裕を失うからです。後の用事がとても大事な用事で、なおかつそれまでの制限時間が短めで、でも「少し急いでやれば間に合うだろう」というような感じで着手するのは、最も危険なのです。

本来、車いじりのDIYで「手際良さ」を要する作業というのは、実はほとんどありません。接着や塗装など限られた分野だけです。ゆっくり慎重に進めることの弊害は何もないと言えます。むしろ、気持ちの「ゆとり」を持って取り組むことがとても重要です。貴重なお時間とは思いますが、せっかくならDIYをたっぷり楽しむつもりで、1時間の作業と思うときには2〜3時間、2時間と思うときは4〜6時間、事前の見立ての概ね2〜3倍の時間を用意して、少しのんびりと味わいながら作業を進めてください。時間が余れば、取り付けたパーツをじっくり眺めたり、手触りを確かめたりして、にんまりと悦に入るのがDIYの喜びです。

第二の基本は、できるだけ明るくするということです。手元が暗いと作業の難度が飛躍的に増してしまいます。作業をする環境全体が明るいことが理想で、そのためには夜間や薄暗い地下駐車場などよりも、昼間の時間に外光の届く場所で作業をする方が、容易かつ確実に作業ができます。フットスペースやエンジンルーム内など、暗がりの箇所を作業する場合は、必ず照明器具を準備する必要があります。防災用のハンディライトでも使えますし、近くにコンセントがあればスタンドライトでも良いです。できるだけ明るい、長時間使える照明具を用意して、対象箇所を照らしてください。

ライトは、見たい箇所にしっかり光が当たるように工夫します。入り組んだ奥の方の作業や、手暗がりになる箇所は、ライトを向けるベストな角度を探します。ライトをうまく保持できる場所を探すか、養生テープ等でライト仮固定するなど、光のあて方が成否を分けると言っても過言ではありません。そして、明るくした手元を何よりもしっかり見ることが大切です。対象物をじっくり観察し、作業中も手元をよく見ながら進めることが、失敗を未然に防ぐことになります。「目で見て状況を把握して作業する」という当たり前の基本をしっかり守ることが成功への道筋です。

第三は、綺麗にすることです。綺麗とは、文字通りクリーニング=清掃の意味です。例えばテールランプを交換する作業でしたら、既設のテールランプを外した際に普段は見えないテールランプに隠れた部分のボディがあらわになります。その部分は想像以上に汚れているはずです。フットレストの交換であればフットスペースの内装を普段以上に間近に見ますので、やはりゴミや汚れが目に付くはずです。こうした汚れは、このチャンスにしか掃除することができません。せっかくだから綺麗に掃除をしておきましょう。そうすることで装着した新品パーツとの境い目に永年の汚れが残っていたりすることなく、美しく、気持ち良く仕上がります。

綺麗にクリーニングしながら作業を行う理由は、実は他にもあります。パーツ交換の際に新たに装着するパーツが嵌まり難いなどの理由として、汚れが原因でパーツ同士がスムーズに噛み合わないケースがあります。クリーニングすることで、新車の組立工程のようにスムーズにいくのです。またメンタル面の効果も見逃せません。作業に熱中するとどうしてもテンションが上がってきて、先に先に作業を進めたい気持ちになってきます。これが焦りのような心理になって、作業が雑になったり、思わぬ失敗につながることもあります。作業の途中で、工具を持つ手を雑巾や掃除機に持ち替えて暫しクリーニングをすることで、気持ちもすっきりとリセットされて、ゆったりとした冷静な心理状態に戻ることができるのです。

第四は、温度への配慮です。冬場の作業が夏場の作業より数段難しくなることは、あまり知られていないと思います。最近の車は、プラスチック部品のツメをパチンと嵌める組立構造が非常に多く使われていて、このパチン嵌め箇所の分解組立は、寒くなるとプラスチックが冷えて硬くなり、脱着がやり難くなってしまうのです。加えて、冷えて硬くなったプラスチックは無理をすると折れやすく、パーツの破損の可能性も増します。夏なら何の心配もいらないことでも、冬の作業をスムーズの行うには温度についての配慮が必要になってきます。


この差を少しでも埋めるために、冬場の作業でパチン嵌めの脱着がある場合は、できるだけ良く晴れた風のない日中の時間帯を選び、可能なら作業する箇所を南に向けて日があたるようにします。そして、近くにコンセントのある環境か、なければテーブルタップやコンセントリールでコンセントを近くに引っ張ってきて、ヘアドライヤーを使って温めます。ヘアドライヤーは、よほど極端な使い方をしない限りは加熱し過ぎる心配がありません。少し時間を掛けて、脱着するパーツや周辺を人肌よりも温かいと感じる程度まで温めてあげれば、冬場でも作業がグッとやり易くなります。

逆に、夏場に条件が厳しくなるのは、エンジンルーム周辺の作業です。理想はその日のエンジン始動前に行うのが良く、もしエンジン停止後に作業する場合は冷めるまで待つ必要があります。夏場はエンジンの温度が下がるのに時間がかかりますが、待ちきれずに冷めていないエンジンの周りでやけどに気を付けながら作業する、なんてやり方はDIYでは禁物です。また、やけどの危険がなくても、夏にエンジンルームの熱気に煽られながら作業をしていると、ボーっとしてきて判断力が鈍ったり、手先の正確さも怪しくなってきます。季節や温度のことをきちんと意識し、配慮することで、余分なリスクを減らすことができます。

最後の第五のポイントは、ときには作業の後戻りや、中断延期も厭わないことです。作業はいつも思惑どおりに進むとは限らず、車両の個体差もありますし、用意したパーツの不備不足、自身の判断ミスや作業ミスも起こります。そんなときは「前進あるのみ」ではなく、一旦引き返すことが重要になってきます。車いじりのDIYは、ほとんどの場合、途中で一旦止めたり戻ってやり直すことの弊害はありません。ですので、上手くいかない時には装着したパーツをもう一度取り外すなど、手間を惜しまずに工程を戻して、なぜ上手くいかないのかを良く見極めてから改めてやり直す、というのがリカバリーの基本です。

また、とくに問題が起きなくても、予定よりも大幅に時間が掛かってしまうことは珍しくありません。用意した時間内に終わりそうもない場合は、無理に完成させようとせず途中で一旦打ち切る勇気も必要です。走行安全に支障のない限りは、その日の作業を終了し、次回また時間の取れるときに落ち着いて続きをやるのが正解なのです。そのためには制限時間一杯まで勝負せず、残り時間が少なくなってきた時点で、自分が焦りの気持ちになる前に「キリの良い中断」を目指す方針に変えることです。「今日中に完成させてしまいたい」とか「あともう少しなのに」という気持ちに打ち勝つ冷静さ。実はこれが一番難しいことでもあり、スムーズにそれができるようになれば、もう取付作業も一人前と言えるかもしれません。

以上、この基本5項目は初心者の方からエキスパートの方まで、皆さんにとって大切な基本です。この5項目を押さえるだけでも思った以上に作業がスムーズに進み、同時に大きくスキルアップするはずです。また、いままで「どちらかというとDIYは好きでない」と思っていた方も、この基本を守ることでDIYの楽しさを知ることができます。多くの皆様がDIYの喜びを身近なものにしていただけるよう、祈願いたします。

(5)作業について回答が難しい質問の例と回答し易い質問の書き方

Q1.「このパーツは自分で装着できますか?」

主観的な難易度の項で説明しましたとおり「難しいですか?」「簡単ですか?」という質問には非常に答え難いのですが、それ以上に答え難いのがこの質問です。例えば、私が「私はハンバーグを作れますか?」と初対面の誰かに尋ねた場合、適切な回答が返ってくることは期待できません。聞かれた相手は当てずっぽうで答える以外になくなります。最も適切な回答としては、「ご自分で装着できる方もいれば、装着できない方もいます」ということになります。お客様の中にはドライバーを握ったこともないという方から自動車整備士並のスキルを持っている方まで千差万別で、しかも大半の方がご自分のレベルが普通だと思っています。回答として、上記の客観的な難易度のレベルをお伝えして、それを参考にご自身でご判断されることをお勧めしています。そしてもう一つ、ご自分でできるかどうかが、かなり確実でわかる方法があります。装着マニュアルが公開されている場合、パーツを購入しなくても試せる分解の工程までを一旦ご自身でやってみましょう。それによって、ご自身にとっての難易度を実感としてご判断いただけます。


Q2.「上手くできないのですが、作業のやり方を詳しく教えて下さい」

これもとても難しい質問です。マニュアルや説明書が何も見つからずに作業方法が分からない場合は、まずはお問い合わせしてみてください。こちらで説明書等がある場合はそれをお送りいたします。お答えしづらいのは、何らかの作業の途中で行き詰まったり、お困りの状況になり、漠然と「やり方を教えてください」という場合です。これは、ご質問者様がどこで躓いていらっしゃるのか、こちらで状況がわからないとお答えのしようがありません。漠然とした質問に推測でお答えして、その答えが的外れになってしまったことが何度もあります。お困りの状況をこちらで正しく推測できない可能性がとても高いです。作業をしていて、あるところで上手く行かずに困ってしまった場合には、まずお困りの状況をできるだけ詳しくお伝えくださいますようお願いしております。できれば写真(携帯のカメラでも結構です)を添えて、何がどうなってしまったのかを可能な限り詳しく書き添えてください。状況が把握できますと、的確なアドバイスができる場合が多いです。まずは状況をできるだけ詳しくお知らせください。


Q3.「作業に必要な工具を全て教えて下さい」

これもどちらかと言うとお答えしづらい質問です。理由はいくつかありますが、工具は「これでなければ作業ができない」というわけではないことが一つです。例えばボックスレンチでもスパナでも作業できる場合がありますし、ニッパーでもハサミでも作業できる場合があります。それぞれ、作業によって最も適した工具というのがあることは確かですが、それ以外の工具でも作業できる場合がほとんどです。例えばロングソケットが最も適している場面で「ロングソケットです」と回答しますと、それをお持ちでない方の方が多いと思います。ご質問者様がどのくらいの工具をお持ちかによってお勧めする工具が異なりますし、ゼロから揃えるのだとすると、果たしてこの作業のためだけにバラバラの工具を買うことをお勧めすべきかという疑問に当たってしまいます。また、作業が全て予定どおりスムーズに進む場合ばかりではなく、途中で何らかのリカバリーが必要になったり、想定外の事象が起きる可能性もあります。お客様が車両にインストール済みの別の機器(レーダーやオーディオなど)が関係して、別の作業工程が必要になることもあります。そうした場合にはまた別の工具が必要になる可能性があるため、これだけ持っていれば絶対に大丈夫という全てを列挙することは非常に難しいのです。「この箇所の止めネジはスパナで回せますか」等の具体的な質問にしていただくことで、お答えしやすくなります。


Q4.「適合車種に記載がありませんが少しの加工で装着できますか」

この質問で難しいのは、「少しの加工」という部分です。車のパーツは、加工をすれば本来の適合でないパーツでもかなり広範に装着することができます。モディファイ車両の雑誌に掲載されている例などを見ますと、別の車種のグリルやヘッドライトを装着している車が数多くあります。どこまでの加工を「少し」と言うかは、非常に主観的な判断であり、こちらでそれを決めてしまいますとお客様の判断と全く異なる可能性があります。また、適合以外の車種に対しては、maniacsでも実際に加工して装着した経験がない場合がほとんどです。その場合、こちらでも机上の予想だけではどの程度の加工が必要なのか分からない面があります。maniacsで適合として販売しているものは、基本的に無加工で装着可能なものです(フィッティング調整のための加工は必要な場合があります)。適合外の車種への加工装着については、それが可能である場合はインターネットで事例が説明されている場合が多いですから、それらを検索してお客様ご自身でご判断いただくのが、一番間違えの少ない方法と思います。

Q5.「どうもしっくりしないのですが、ちゃんと装着できていないのでしょうか」

「しっくりしない」「カタカタする」等の日本語表現は、表現自体が相当の曖昧性を含んでいるとともに、お客様の感じ方がまた千差万別のため、何ともお答えのしづらい状況になります。実際、この種のご質問でお住まいがお近くの場合には、一旦maniacsまで来ていただいて現車を拝見するのですが、その現車の状況も千差万別なのです。まったく装着できておらず、完全に浮いてしまっているような状況で「なんとなくしっくりしない」と仰っている場合もありますし、逆にピッタリとほぼ完全に装着されていて、わずか0.3mmくらいの公差のところを「しっくりこない」と仰っている場合もあります。ご自身で装着された結果が「しっくりこない」とお感じでお問い合わせの場合には、できるだけ写真を添付して、その写真にあるどの部分がどうなっていることがお気に召さないのかを、できるだけ具体的にご説明いただけると、適切な回答ができると思います。

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